笛吹市から、障がいの地域生活の支援の状況理解のため、4名の見学者受け入れを依頼されました。地域で暮らす障がいの方々と面談が出来たら、というリクエストです。
5月23日。笛吹市の担当者と共に、その4名の来所がありました。省庁の新人職員です。
まずは館内の見学です。地域活動支援センターは各地にありますが、利用される方の目的や様子、施設の規模はその地域性に基づいて設置されるため、様々な形式が存在することから、目立ちにくい施設でもあります。
支援センターふえふきは、地域活動支援センター1型として1日20名、3型としての春日居ふれあい工房は10名の利用定員の施設です。作業や様々な活動があります。まずは活動の様子を紹介しました。
デイケアの様子です。笛吹市は精神系病院が無いため、精神障がいの方々の社会復帰の場が限られています。そのため、支援センターふえふきが精神障がい者のデイケアを展開しています。
活動室に移り、地域活動支援センターの説明をしました。当センターの活動は、様々な障がいの基本相談と活動が一緒に出来る事、その方の状況に合わせた活動の場所を紹介出来る事、個別の支援を意識したプログラムを提供していることを説明しました。
次は実際に利用されている方と見学者の方との面談を行いました。
まずは1型利用の方。センターの絵画教室を通じて、絵の才能を開花させ、芸術祭やコンテストでの入賞、また絵のレンタルや肖像画の依頼作成で収入を得るようになりました。
自身の描いた絵を紹介しつつ、その絵画の活動を通じての社会参加が出来てきた様子や、センター職員との関わり、絵を掲載していただいているカフェの様子。そして、現在の福祉就労に繋がって来た様子などを話していただきました。
見学者からも社会参加までの道筋についていくつか質問があり、丁寧に答えています。
「自分と同じように様々な障がいの方の社会参加が実現できるよう、こういったところの活動にも目を向けてください。」とお願いをしていました。
次は、地域活動支援センター3型春日居ふれあい工房を利用されている方です。
自分ではコントロールがしにくい精神疾患を抱え、何度も入退院を繰り返してきた人ですが、センターでの活動や自助グループ活動の場を通じて心の安定を図り、今ではふれあい工房では頼れる姉さん的存在になっています。
地域活動支援センターは、相談と繋がった自由な活動が出来る場所です。病院との繋がりを基本に、無理の無い息の長い活動の様子を話しています。
こういった地域のセンターを上手に利用しながら、次の活動に繋げていくのは大事な事です。しかし、こういったセンターがあまり知られていないことは課題だと言いました。
「自分がこうなれたのは、病院とのお付き合いや各地の自助グループとの関わり。支援センターでは担当職員の親身になった相談と、活動出来る場があった事。こういうことが重なった結果で感謝している」と話しています。
1時間程度の面談でしたが、様々な質問を受けました。活動のきっかけ、病状のこと、家庭のこと、将来の夢など。利用者の方々も、自分の話を興味を持って聞いていただけたのが嬉しいという感想でした。
今回の見学の方々は、将来の日本を背負って立つ若い人材です。ここでの小さな活動ですが、共生の社会を目指すためには必要な機関であることが理解していただけたでしょうか。
今回は笛吹市からの紹介で当センターの見学に繋がりましたが、こういった機会を用意していただき心から感謝します。今回話をしていただいた2名の利用者さんですが、自分のことを聞いていただける場がとても少ないのです。今後も、こういった機会を提供していただけることを願います。
支援センターふえふきでは、活動室の壁などを利用して、「ギャラリー猫」を常時開設しています。ふらりと立ち寄っていただきますよう、心よりお待ちしています。