笛吹市社会福祉協議会は、11月29日石和清流館を会場に、笛吹市災害救援ボランティアセンター設置運営訓練を行ないました。これは、社協が主催、笛吹市の共催で行われる訓練です。また、笛吹市ボランティア連絡会と笛吹青年会議所の協力を受け、実施しました。
各地の災害場所では、多くのボランティアが活躍されています。先の台風でも河川が氾濫し、大量の土砂が住宅地を襲いました。水が引いた後も、その流れこんだ土砂を取り除くには、地域住民の手だけではとても足りない状況でした。笛吹市からも、多くのボランティアが駆け付けました。
しかし、いくらボランティアが集まっても、一体どこの地区にどれだけの人が必要なのか。また安全に作業を遂行して頂くにはどのようにすれば良いのかなど、情報を集約し、最善の派遣をしていくかを考えるセンターが必要です。皆さんの善意を集め、上手に運営していく頭脳と心が必要なのです。
今回は、大きな地震が発生し、笛吹市も多くの住民が被災したという想定で行ないました。集まって頂いたボランティアを登録し、必要な場所に必要な数を派遣することや、物資を上手に使ったり、炊き出しなどを行えるようになるための訓練を実施しました。
そこで考えました。障がい者や高齢者など、災害弱者の立場で一緒に考えることはできないのだろうか。
また、地域で様々な人が一緒に生きていく「共生社会」を目指す中で、障がい者は助けられる存在だけで良いのだろうか、障がいがあっても、何かしら助ける側になることはできないだろうか、など考えました。
「災害時って言っても、何をしたらいいか分からない」「どんな人がいるか分からない」「自分が出来る事なんて無いかもしれない」「訓練なんて厳しいに違いない」。いやいや、そんなことはありません。訓練と言っても、消防署のレスキュー隊が行うような激しい訓練ではありません。
午後1時半。ボランティアセンターが開所されました。
まずは受付です。ここで、保険にも加入して頂き、万が一の怪我などの保障を受けられるようにします。これも、安全のためです。
受付では、個人に合わせて説明を行います。参加者は、「人の役に立ちたい」という思いで、自分が出来ることがあればという思いで、この訓練に参加されています。
ここは、マッチングの場面です。マッチングでは、どんな要請があるか、どんなボランティアを必要としているかの説明をして、派遣先を決めます。短時間のお手伝いしか出来ない、とか、手先が器用だから修理なら出来るとか、要望があればここで調整が出来ます。
例えば、土嚢作り。今回の台風では、この土嚢を多く必要としていました。土嚢は力仕事で男性じゃなければ、というものでもないのです。勿論、作り方は丁寧に教えてもらえますから安心です。
ニーズ受付には、現地でどんな支援をしてもらいたいか、という情報が集まってきます。小さな子どもが食べる物が無い、寒いので毛布が欲しいという要望や、暗くて作業が出来ないのでライトが欲しいというような支援のための支援の要求もあります。ボランティアのための軍手を用意するのも、支援です。
勿論、出来る範囲の事をお手伝いする。これが原則です。
車いすを使用する人への支援の練習も、ボランティアセンターで行います。3人で階段の乗り降りを介助する練習です。この場合も、支援する側が怪我でもしたら、そこで助けられる人が減ってしまう。だからこそ、事前に練習をするのです。
誰が、いつ、どんな支援を行い、どんな成果があったかを報告して頂き、また次の支援地に向かいます。
こうやって多くの方々がボランティアセンターに集まり、支援地に向かい、またセンターに集まってくる。
いかがですか。自分の出来る範囲のお手伝いで良いのです。出来ることは沢山有るのです。
そしてもうひとつ。ボランティアにどんなことをしてもらいたいのか。これを上手に伝えることが出来ること。「助けられ上手になる」ことも大事なポイントです。
いずれにしても、一度見るだけでも良いので、次回のボランティアセンター設置運営訓練を覗いてみませんか。
「共生社会」の実現のために。