笛吹市地域自立支援協議会の相談支援部会長の鈴木です。
笛吹市地域自立支援協議会の相談支援部会では、月に1回、障がい児者に関わる相談支援等を行う職員を対象にして、事例検討会を開催しています。
5月には精神障がい当事者である新沼さんが参加して、新沼さんからの聞き取りを参加者と行い(アセスメント演習)、それを元にして、支援計画作成演習を行いました。
これが参加者の皆さんに好評で、新沼さんもからは「自分が知らなかった情報や、自分がどのように見られているか、自分自身の姿を改めて確認することが出来た」という意見を貰いました。
この取り組みを知った身体障がいの当事者さんから、担当する支援者を通じて「ぜひ自分もやってもらいたい」という要望があり、実施することとなりました。
今回参加された阿部さんは、生まれつきの障がいを抱えながら、現在は市内の通所施設に電動車いすで通う地域の住民さんです。今の生活をより良くしたい、人の為に自分が出来ることを増やしたいなどの希望があり、それをどうしたら広げることが出来るのか、また、そのきっかけは何だったのかなどを話されました。
その聞き取りを元に、各グループに分かれた参加者が、阿部さんの状況や障がい、大事にしていることなどを紙にまとめていきます。これが、「計画書」を作る元の情報の「アセスメント情報」となります。
この聞き取りから出てきた事柄を、どのように実行するのか。阿部さん自身は何を行い、支援者はどのようにお手伝いが出来るのか。また、阿部さんの周りを取り巻く地域の人、機関、仕組みはどのようにすればいいのか等、皆で話し合いました。
こうやって出来上がった「計画書」は、最後に阿部さんが評価し、本人が一番良いと思われる計画書を選んでいただきました。
さて、今回はどのグループの計画書が選ばれたのでしょうか。
わずか90分間という短い時間で、全てのことを聞き取り、計画に表現することは難しい作業です。でも、そこは実践で頑張っている支援者の皆さんのこと。障がいや車椅子など様々な知識や、保健医療の専門性などを生かし、阿部さんがこの街でより良く生きていく方法を一緒になって探していきました。とにかく阿部さんの話を聞きだすこと、否定はしないこと、どのように応援出来るかを自分だったらどうするかなど、色々な思いを込めて整理していきました。
最後に阿部さんから。「皆さんの前で、今までの自分を話すことや、自分の将来について話をすることは初めてのことで、頭の中がいっぱいです。でも、人の為になるような事を探していきます。」と決意表明をして頂きました。
阿部さん自身には、今後の生活の向上について考えるきっかけとなり、参加した支援者は他の支援者の専門性からの思考や聞き取り方、まとめ方を学ぶことができた90分間でした。
今後も、当事者で参加していただける方が居ましたら、せひ一緒にやってみましょう。
p/w suzuki