11月14日の日曜日。山梨市の市役所駐車場で行われた、山梨県地震防災訓練・防災ボランティア設置訓練に参加しました。
支援センターでは、市内に住む障がい者向けに、防災に関する研修を行っています。例えば各地区で行われている防災訓練に当事者も一緒になって参加する「地域の防災訓練に障がい者が参加する試み」で、様々な地域で防災訓練の参加が出来るように支援し、その様子をビデオに撮って、各地域で上映してきました。また、参加された方々に登壇していただいての研修会や、昨年では避難所に避難してくる障がいの方をどのように受け入れていくかを皆で学ぶ「防災と障がい」という研修会を行いました。
これまでの活動は、地域に在住する障がいの方を、地域住民の皆さんで助けていただくことが主となっていました。勿論これは大事な事なのですが、では障がい者は「助けられるだけの存在」なのでしょうか。「共生社会」とは、地域の皆さんが互いに支え合って生きていくこと。つまり、障がい者でも「助けられる存在」だけではなく「助ける存在」になることは出来ないのだろうか。という思いが強くありました。
今年は山梨県と山梨市で行われる防災訓練に、防災ボランティア設置訓練も行われることとなり、支援センターからは2名の障がい当事者が参加することとなりました。
勿論、「助ける側」のボランティアとしてです。
今回はそのレポートをお知らせします。
さて、今回参加していただくお二人ですが、一人は精神障がい代表の新沼さんです。新沼さんは自身の障がいをオープンにして、様々な活動に参加されています。多数の方々との関わりが若干苦手とする障がいがありますが、男性ですから体を使ったボランティアも可能です。
二人目は、松本さんです。松本さんは半身まひの身体の障がいがあり、左足には短下肢装具を装着しています。平日は事務職の一般就労をして、甲府まで電車通勤をしています。
災害時は、猫の手も借りたいほどの人手不足となります。この二人に、災害時でも出来る仕事があるのでしょうか。
まずは受付です。今回、お二人には簡単な説明だけで参加をしていただきました。
松本さんは受付で、自身の障がいについての説明をしました。すると、受付の方がごく自然に「障がいがあっても出来る事はあるから。良いじゃないですか」と答えました。
字を書くことが苦手な新沼さんは早速緊張しています。後ろに人が並ぶと、ちょっとプレッシャーです。松本さんは自身の障がいを表記することで悩んでしまいました。でも大丈夫。ちょっとサポートするだけであとは全部記載が出来ました。
続いては、ボランティア活動での注意点などの説明を受けます。被災地であっても、ボランティアに危険なことをさせる訳には行きません。また、怪我をしても保証が無ければ、安心して活動が出来ません。保険の説明などを受けています。
続いては、マッチングです。助けて欲しいという声(内容)と、ボランティアが活動したい場所(内容)をマッチさせるための場です。被災地だから人命救助とか、土砂崩れの運搬だけではありません。勿論、この二人が出来る事も限られてはいます。でも、自分が出来ることはないかと考えています。
今回は松本さんは小さな子どもが避難していると思われる場所でのボランティアを選びました。母親が自分の事を済ませる間、ちょっと子どもを見て欲しいと言うようなニーズがあるかもしれない・・と。
新沼さんは高齢者の避難所を選びました。体力は普通にありますが、長時間の作業は避けたいと思うことからの選択です。現場が必要と思われる人数が揃うまで、ここで待機です。
次は、派遣先の説明となります。新沼さんは、高校生のグループと一緒になっての活動です。こういうところでも、積極的に参加しようという前向きな気持ちで取り組んでいます。
そしていよいよ現場に向かいます。お二人にはどんな任務があるのでしょうか。
(その2に続く・・・)