平成24年から始まった、「地域に住む障がい者が、地域の防災訓練に参加する試み」ですが、今年は石和町の障がい者グループホームと地域が協働する試みを8月31日の日曜日に実施しました。
平成24年に始まった時は、石和町在住の聴覚障がいのご夫婦が、石和地区の防災訓練に参加して、地域の皆さんがご夫婦の避難を助けるという試みから始まりました。それからは毎年地区を変え、避難対象者も車いすの方や視覚障がいの方など、多くの方々に参加していただきながら、地区の皆さんんと一緒に防災訓練に参加してきました。
地区の皆さんへの働きかけは、社協の地域事務所と笛吹市の障害福祉課の方々と一緒に。企画も自立支援協議会の当事者家族部会と協働しました。
ところが、毎年のように実施したこの訓練。コロナで地区防災訓練自体が中止へ。そこから発想を変え、「地域住民が障がい者を助ける」ことから、「障がい者が地域の方を助ける」ことにチャレンジしてきました。
これらの事は、過去の社協ブログをご覧ください。
今年は、石和町川中島に出来た障がい者グループホームの「らくてぃ」さんと協働し、「障がい者が地域の住民さんを助ける」ための第一歩の訓練を一緒に行いました。
石和地区も他の地区同様に「昼間は若い人が甲府に通勤しているので、昼は誰も居ないのだ」ということを聞いていました。だったらグループホームに若い障がいの方々がいるではないか、という発想になったわけです。
勿論、突然そういうことが自発的に出来るとは言えません。でも、障がい者=助けが必要な人、ではなく、環境と条件を合わせれば、それが可能になるのではないかと。
実は昨年も行う予定でいたのですが、当日は台風で防災訓練自体が中止となりました。今年は早めに動いて、昨年度から協力いただいている区の役員さんや民生委員さんに声を掛け、今年こそ実施すべくリベンジを図りました。
事前にグループホームの見学を兼ねて、当日参加する障がい当事者さんと顔合わせを行い、説明を重ねました。更に、同地区に住む一人暮らしの障がいの方も誘い、一緒に参加することとしました。
8月31日。笛吹市の一斉地区防災訓練が9時にスタート。住民さんは第一避難所である公民館に集合し、安全確認を行いました。
らくてぃさんは、ホーム内で安全確保を行い、それぞれが動けることを確認。その後に第一避難所に集合し、地区の皆さんにご挨拶。この日は大きな作業はありませんでしたが、この地区にらくてぃさんというホームがあること、障がい者と言っても車いすや常時介護が必要な人たちではないことを知ってもらえたことは大変意味のある時間でした。
地区の皆さんへの紹介でも、らくてぃの管理者である海野さんから「いざと言うときは僕たちも頼ってくださいね。」という力強い言葉で話していました。
また、地区からの参加の方も、民生児童委員さんの協力で徒歩で避難が出来ました。
地区の皆さんも、出来るだけ多くの住民さんと助け合い、避難を完了したいと思っていますが、最初の繋がりや、具体的な手法が分からずに形に出来ない状況もあります。障がいの方々も、実際の避難所でも孤立し、メンタルケアが必要になっている実例もあります。
出来ることを出来る人が行う。これを自然に行える環境が求められています。